参院財政金融委で、自民党の古川俊治氏の質問に答弁する財務省の太田充理財局長(右端)。左端は麻生太郎財務相=2018年4月12日午前10時15分、岩下毅撮影
学校法人・森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐり、約8億2千万円の値引きの根拠となった地下のごみの積算量を増やすよう、財務省近畿財務局が国土交通省大阪航空局に依頼したと当事者が説明したとされる問題で、財務省の太田充理財局長は12日の参院財政金融委員会で、「事実関係を調査し、報告させていただきたい」と述べた。
森友ごみ積算、近畿財務局が増量依頼 航空局に数億円分
朝日新聞は同日、近畿財務局が2016年、国有地売却に向けて地下のごみの撤去費を見積もっていた大阪航空局に対し、いったん算定したごみの積算量を増やすよう依頼したとの説明があると報道した。これを受け、民進党の大塚耕平氏が説明を求めた。
これに対し太田局長は、「報道を承知したばかり。把握していないので調査させていただきたい」と説明。国会議論への対応を理由とする決裁文書の改ざん問題と比較し、「次元の違う問題。売買の価格そのものだ」と述べる一方で、価格の決定については「当時の状況のもとで、ぎりぎりの対応としてやられたものとの認識は、基本的に変わっていない」とした。
菅義偉官房長官は12日午前の会見で「財務省と国土交通省で適切に対応されるだろうと承知している」と述べた。現時点で売却額は適切だったと考えるかとの質問には、「地下埋設物の撤去費については、財務省と国交省が国会において、会計検査院の指摘も踏まえたうえで、ぎりぎりの対応だったと答弁している。そうしたことを政府としては承知している」と答えた。