阪大工学研究科棟に家宅捜索に入る捜査員ら=16日午後2時55分、大阪府吹田市、伊藤進之介撮影
大阪大と民間企業の共同研究を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で大阪府警に逮捕された阪大大学院工学研究科教授の倉本洋(ひろし)容疑者(57)=兵庫県宝塚市=が、現金の振込先口座を自ら、贈賄側に指示していたことが、捜査関係者への取材でわかった。大学に無断で共同研究をし、企業から不正に受け取った謝礼の疑いがあり、倉本容疑者は生活費のほか、ゴルフや先物取引に充てていたという。
共同研究で便宜図り収賄容疑、大阪大院教授を逮捕
阪大によると、企業と共同研究をする場合、研究経費の振込先は大学の法人口座になる。倉本容疑者は2011年度以降、贈賄側の「東亜建設工業」(東京都新宿区)、「飛島(とびしま)建設」(東京都千代田区)の両社と共同研究を継続。11、12年度は、規定通りに大学に届け出ていた。この2年間は両社側からの経費支払いはなく、国の補助金が法人口座に振り込まれていた。
捜査関係者によると、倉本容疑者は13年度以降、大学に無断で共同研究を実施。研究データを提供したり、学内の施設を使わせたりする見返りとして両社側から現金を振り込ませる際、自らが管理する複数の銀行口座を指定していた。府警は、大学に届け出ると法人口座に入金されるため、届け出なかった疑いがあるとみて調べている。
倉本容疑者は14年10月~今…