政務活動費の返還率
政務活動費(政活費)が実際に使われる前から地方議員や会派に支給されている実態が、主要148議会に対する朝日新聞の調査で明らかになった。サラリーマンなら通常、経費を「自腹」で支払った後に精算したり、手続きを経て仮払いを受けたりするが、議会での常識は少し違っているようだ。後払い方式を導入している例も一部あるが、大半の議会で、議員が立て替えることに消極的だ。
政務活動費の支給方法と返還率のアンケート回答結果
「市民に理解してもらえるか」。京都府京丹後市議会は、そんな視点から、完全後払い方式を導入した。政活費の完全後払い制を導入した「先進地」として注目を集め、各地の議会事務局から問い合わせが相次いでいる。
同様に完全後払い方式を導入している岐阜県飛騨市議会事務局の担当者も「公費は後払いが基本。前払いの必要性が考えられない」と話す。
「完全」ではないが、一部後払いを導入している例もある。
兵庫県は「号泣会見」議員の問題を受けて、前払いだった支給方法の変更を検討。会派に前払いして議員は経費を自分で払った後、会派の経理責任者に領収書などを毎月提出し、会派から実費分が支払われる仕組みに2015年度に改めた。領収書のインターネット公開も実施。支給額に対して実際に使われた割合は14年度の76・80%に対し15年度は66・21%となった。
自民系会派による不正流用が発覚した神戸市や、不正で議員2人が辞職した徳島県も、会派からの後払いに支給方法を変更。宮城県は、違法な支出があるとして仙台市民オンブズマンから起こされた訴訟の和解の一環で、09年度から同様の方式を採り入れている。
このほか、会派が独自に議員への後払い方式を導入している議会もある。
ただし、政治資金オンブズマン…