APECでTPP首脳会合に臨む安倍晋三首相(中央)=19日、ペルー・リマ、飯塚晋一撮影
環太平洋経済連携協定(TPP)の参加12カ国は19日午後(日本時間20日未明)、1年ぶりに首脳会合をペルー・リマで開いた。日本政府の説明によると、参加国が引き続き発効に向けた国内手続きを進めていくことで一致したという。
TPPは、次期米大統領に「離脱」を掲げたトランプ氏が当選し、発効が難しくなっている。安倍晋三首相は席上「現状にひるんで国内手続きをやめてしまえば、TPPが完全に死んでしまう。保護主義を押さえられなくなる」と指摘。「(承認に向けた)各国の取り組みにより、米国でもTPPの意義の理解が進むことを期待している」と語ったという。
オバマ米大統領は「TPPの重要性について、今後も国内での理解を求めるべく、尽力を続ける」と述べたという。
ただ、今回は、例年のTPP首脳会合では採択していた首脳声明は出さなかった。「米大統領選後、10日程度しか経過しておらず、調整の時間がなかった」(日本政府関係者)ことが理由という。(リマ=鯨岡仁)