オリックス選手会の納会に出席し、報道陣の取材を受ける糸井(右)=21日、神戸市北区
21日夜、神戸市北区で開かれたオリックス選手会の納会に、糸井が姿を現した。「お世話になったので、顔を出してあいさつしたい」。4年間過ごした仲間とじゃれ合った。
FA糸井、阪神へ 「金本監督の熱意に心を打たれた」
オリックスには愛着も、心地よさもある。「毎日、悩みに悩み抜いた」と糸井。だが、「新しい挑戦をしたい」というアスリート魂が、移籍を決断させた。今季の成績は打率3割6厘、17本塁打、53盗塁。35歳で輝かしい数字を残し、FA宣言するには格好のタイミングでもあった。
ただ決断した先には、険しい道が待つ。ほぼ360度阪神ファンで埋まる甲子園は、独特の雰囲気だ。糸井が今季放った17本塁打のうち、中堅から右に引っ張ったものが13本。今後は右翼から左翼に強く吹く浜風が立ちはだかる。体の不調を感じたとき、負担を減らすための指名打者起用も、セ・リーグではできない。
野手に転向して11年。まだ伸びしろがあると感じている。パ・リーグとは違う野球を経験しつつ、未知の環境のもと、本人が追い求める「成長」を遂げられるか。阪神の今季のスローガン「超変革」は、「超人」と言われる糸井にも当てはまる。(井上翔太)