仙台市宮城野区の七北田川河口では、水面に渦のようなものが見えた=22日午前、仙台市宮城野区、朝日新聞社機から、川村直子撮影
22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、福島、茨城、栃木3県で震度5弱を観測、青森から東京(八丈島など)の7都県に津波が到達した。宮城県の仙台港では高さ1・4メートルの津波が観測され、東日本大震災以降最大の津波となった。青森から千葉の6県で最大時51万人に避難指示・勧告が出て、14人が負傷した。
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気象庁によると、震源の深さは25キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・4と推定される。北海道から中国地方でも震度1~4を観測した。2011年3月11日の東日本大震災の余震とみられる。
この地震で気象庁は福島県と宮城県に津波警報を発令。東北から関東までの太平洋沿岸や伊豆諸島に津波注意報を発令した。宮城県は当初、津波注意報だったが、地震から約2時間後の午前8時3分に仙台港で1・4メートルの津波を観測し、津波警報の基準(1メートル超)を超えたため、津波警報に切り替えた。地形や水深などの影響から津波を完全に予測するのは難しいといい、今後改善に努めるという。午後0時50分までに全て解除された。
東日本大震災後、震度5弱以上の余震は70回目。M7・0以上の余震は10回目。気象庁の中村浩二・地震情報企画官は「今後1週間程度、M7クラスの地震が起きる可能性がある」と注意を呼びかけた。
津波に伴い、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で計21万世帯、51万人に避難指示・勧告が出て約9千人が避難した。
警察庁のまとめでは、けが人は福島、千葉、宮城3県の計14人。福島県と千葉県では60~80代の女性3人が転倒して腕や大腿(だいたい)部を骨折する重傷を負った。
交通も乱れた。仙台空港では利用者約500人と従業員がターミナルビルの2階以上に一時避難。発着する国内線37便が欠航した。JR東日本やJR東海によると、東北、秋田、上越、北陸、山形新幹線は計8本が運休、計74本が最大で135分遅れ、利用客約4万6730人に影響した。
総務省消防庁によると、福島県いわき市の石油コンビナートで化学メーカー「クレハ」いわき事業所の4階建て研究棟の1室で火災が発生した。