福島県沖を震源とする22日早朝の地震の影響で、一部の企業が工場の操業を一時停止したり、研究施設で火災が発生したりする被害が出た。ただ、大半の企業は通常通り事業を続けており、影響は限定的となりそうだ。
「来るぞー」濁った川の水、泡立ち逆流 東北沿岸に津波
福島県沖でM7.4、津波を観測
震度5弱を記録した福島県いわき市では、日産自動車のエンジン工場が操業を一時停止し、従業員が避難した。生産設備に被害がないことを確認したうえで、午後2時ごろから順次生産を再開した。東北には、トヨタ自動車の生産拠点もあるが、通常通り操業を続けたという。
プラスチック原料などを生産しているクレハのいわき事業所に隣接する研究施設では火災が発生。事業所の生産も止まった。実験室内の実験装置が地震の影響で発火したとみられるが、すぐに消火され、人的被害はなかったという。
今回の地震では、東日本大震災後で最大の津波も観測された。太平洋セメントや宇部三菱セメントは、津波の警報や注意報が出された東北沿岸部のセメント出荷拠点での作業を一時見合わせた。
セブン&アイ・ホールディングスは、福島、宮城、茨城各県の避難指示などが出た地域で、セブン―イレブン十数店の営業を一時中断した。傘下の食品スーパー、ヨークベニマル(本社・福島県郡山市)も同じ3県の10店で開店を遅らせた。
ローソンは福島、宮城、岩手3県の沿岸部で、従業員の避難などのために約40店舗が一時営業を取りやめ、ファミリーマートも東北を中心に約40店で同様の対応をとった。
各社とも午後には全ての店舗が営業を再開した。一部の店舗では商品の落下があったが、大きな被害はなかったという。