ジュバで朝日新聞の取材に答える国連南スーダン派遣団(UNMISS)の楊超英・軍司令官代理=渡辺丘撮影
国連南スーダン派遣団(UNMISS)の楊超英・軍司令官代理が24日、首都ジュバで朝日新聞の取材に応じ、南スーダンの大統領派と前副大統領派の対立について「和平合意が維持されているとは言えない」と述べた。陸上自衛隊が活動するジュバの治安状況は「予測不可能で非常に不安定」とするなど、厳しい情勢認識を示した。
両派による7月の大規模戦闘について、国連は平和維持活動(PKO)部隊が対応に「失敗」したとし、ケニア出身の軍司令官を更迭した。後任は未定で、副司令官だった中国出身の楊氏が約1万3千人のPKO部隊を統括する。
楊氏は、両派が昨年8月に和平合意した後も、各地で散発的な戦闘が続いていると指摘。「武装勢力がジュバに侵入して治安部隊を攻撃するといった戦闘の可能性を排除できない。7月も平穏に見えたが、戦闘が突然始まった」と語った。
日本政府が、武装勢力から襲撃されたNGO要員らを保護する「駆けつけ警護」の新任務を自衛隊に付与したことについて、楊氏は「国連は各部隊の制約をできるだけ減らし、任務を完全に実行できることを望む。司令官の指揮下で実行される」と述べた。ただ、諸外国より武器使用基準が厳しいとされる自衛隊の施設部隊の制約は「考慮される」との見方を示した。
日本政府は南スーダンの現状について「紛争当事者となりうる、国家に準ずる組織は存在していない」として、前副大統領派をPKO参加5原則が定義する「紛争当事者」と認めていない。
7月の戦闘では、UNMISS…