アテックスが販売するヒート機能付きクッション「ルルド ふわポカクッション」=アテックス提供
寒さが増してきて、自宅やオフィスで使う保温グッズが売れています。暖をとるだけでなく、デザイン性や使い心地に優れた商品も増えています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
梅田ロフト(大阪市)の健康雑貨売り場には、9月からブランケット(毛布)や湯たんぽなど、保温グッズ約400点を集めたコーナーが設けられている。売り場担当の河合千登勢さんは「11月に入って気温が下がり、売れ行きがよくなっている」と話す。
売り場では、顧客の年齢層が幅広い。数年前までは、ほとんどの商品が女性向けだったが、近年は靴下や腹巻きなど、男性向け商品の扱いも増えている。
暖かさに加え、デザイン性に優れた商品も増えた。肌触りの良い素材を使ったネックウォーマーや、香りを付けた素材を使った腹巻きなど、付加価値を高めた商品も出ている。
海外の保温グッズを輸入・販売する東京の卸売業者は「癒やしを求め、自宅で過ごす時間の質を高めようとする人が増えているのではないか」と見る。
保温グッズに注目が集まったのは、東京電力福島第一原発事故後の電力不足だった。政府は夏だけでなく、冬も節電を呼びかけ、オフィスでは暖房の設定温度を下げる動きが広がった。このことで、室内で暖をとるニーズが高まった。袖やボタンが備わった「着る毛布」が広がるなど、商品の多様化も進んだ。
電力不足が解消され、政府は今年、原発事故後初めて、冬の節電要請を見送った。それでも、メーカーや小売店には「保温グッズ市場は成熟し、節電呼びかけの有無に売り上げは左右されない」との見方が多い。(伊藤弘毅)
■着る毛布 袖もポケットも
イタリアのラバテッリ社が製造・販売する「カングルー もこもこブランケットウェア」は、毛布に袖とポケットを備え付けた。イスに腰掛けた状態で羽織ったり、本を読んだりしやすい。ポリエステル素材で、軽さと肌触りも追求した。人気キャラ「スヌーピー」の柄もある。4千円。
■癒やしの香りに包まれて
雑貨を製造・販売するノルコーポレーションの「FRABRIC」には、香り付きのネックウォーマーや腹巻きなどがある。オレンジやカモミールなどの植物由来のオイルを微細なカプセルに入れ、それを布地に付着させた。肌触りも重視し、女性向けの淡い色使いの商品が多い。ネックウォーマーは3980円。
■ツボを押さえた冷え対策
靴下メーカーの岡本(大阪市)が販売する「靴下サプリ まるでこたつソックス」は、東レ、東洋紡と開発した保温性のある繊維を使った。明治国際医療大学(京都府)の協力を得て、冷えに効くとされる「三陰交」と呼ばれるツボを覆って温める仕組みにしたのが特徴。他にふくらはぎを締め付けて血行をよくする商品などもある。1800円。
■肌にも懐にも優しく
健康器具などを製造・販売するアテックス(大阪市)の「ルルド ふわポカクッション」は、内部に電気ヒーターが入っている。同社の試算では、毎日2時間使っても、月の電気代は約30円に抑えられるという。スイッチを入れて2時間で自動的に電源が切れ、無駄遣いも防げる。カバーは外して丸洗いできる。7800円。
売り場担当者のおすすめ商品から選びました。いずれも希望小売価格で税別。
(きりとりトレンド)