籾井勝人・NHK会長
来年1月に任期が切れる籾井勝人(もみいかつと)・NHK会長(73)の再任が、極めて困難な見通しであることがわかった。任命権を持つ経営委員会(石原進委員長)の複数の委員が籾井氏の続投に否定的で、会長の任命にあたって放送法が規定する、経営委員12人中9人以上の同意が得られない状況だ。経営委は6日に開く「会長指名部会」で、籾井氏も含めた次期会長候補について協議する予定。
NHK経営委員会
籾井氏をめぐっては、3年前の就任当初から「政府が右ということを左というわけにいかない」と述べるなど、公共放送トップとしての言動がたびたび問題視され、経営委が3度にわたって注意。国会によるNHKの予算承認も、通例の全会一致が3年連続で崩れる事態を招いた。
次期会長選考にあたって経営委は10月、「政治的に中立である」「人格高潔であり、説明力に優れ、広く国民から信頼を得られる」など5項目の資格要件を決定。ある委員は「籾井氏が合致しているとは言いがたい」とした。
また籾井氏ら執行部が提案した来秋からの受信料値下げ方針では、11月の経営委で「今後余るお金は視聴者に返すのが当然」と値下げ案の了承を迫る籾井氏に対して、12人の経営委員全員が「中長期的に考える必要があり、時期尚早だ」などとして反対。「先行きの見通しが甘く経営手腕に疑問を感じる」と指摘する委員もいた。与党幹部も「籾井氏の続投がないことだけは確かだ」とする。
経営委では6日に開かれる会長…