森を切り開いて造られた太陽光発電施設。右奥は、開発で壊された後、ブルーシートで覆われた窯跡=1日、愛知県瀬戸市、伊藤智章撮影
海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)の隣接地に、名古屋市の建設業者が太陽光発電装置を無許可・無届けで設置した問題で、瀬戸市と県は1日、業者の是正計画報告書を受け入れたと発表した。設置したソーラーパネルの約3分の1を撤去する内容。市は当初求めた施設の全面撤去を断念した。
愛知万博で守ったのに…「海上の森」隣に太陽光施設
現場は海上の森に接する民有地2・35ヘクタール。「フジ建設」(名古屋市守山区)の開発計画について、瀬戸市は中止を勧告したが、その後、同社がソーラーパネルを多数設置したことが発覚。開発で市の公道(赤道〈あかみち〉)が破壊されたほか、土砂流出の恐れも指摘されていた。
是正計画では、破壊された公道の代わりに、同社が幅2・5メートル、長さ240メートルの公道を設置。両側には幅6メートルにわたって造林する。敷地の外周部分などにも木を植え、砂防用の調整池も新設する。
これらにより、4592枚あるソーラーパネルの31・45%、1444枚を撤去する。県や市の許認可後、来年1月に着工し、5月までに完成させる予定だ。工事後は売電利益の一部を市または環境団体に寄付することも検討中という。
市は問題発覚後の今年3月から…