風力・太陽光発電設備付きのサインポール=相模原市
コンビニ最大手のセブン―イレブン・ジャパンは、店で使う電気の半分弱を太陽光発電などの再生可能エネルギーでまかなう省エネの実証店舗を開いた。スライド式の陳列棚なども備え作業の軽減も図る。24時間営業を維持しつつ店舗を増やすには、環境に配慮した省エネ化や省力化への対策が課題となっている。
22日にオープンしたフランチャイズ(FC)の「相模原橋本台1丁目店」(神奈川県相模原市)は、駐車場に路面型の太陽光パネルを約200平方メートル敷き詰めた。サインポール(看板)には風力・太陽光発電設備を備え付けた。
発電した電力の95%は、トヨタ自動車のプリウス20台分の中古蓄電池などにためて夜間に利用。店舗の使用電力の46%をまかなうという。
セブンは約2万店のうち、すでに約8千店に太陽光パネルを設置。昨年12月には東京・四谷に、水素燃料電池などを備えて使用電力の約1割をまかなう店も開いた。今回は国内外の90種類の新技術を採用した実証店舗と位置づける。設置費用を公開していないが、各技術を検証し、全国への拡大も検討する。
省エネ店舗の導入の背景には「温室効果ガスの排出量を、2030年度までに13年度に比べて26%削減する」という政府の目標があり、「今後も出店を続けるには、1店舗あたりの省エネが欠かせない」と大橋尚司執行役員は言う。
新店舗では店内設備を改良して省力化も進める。
麺類や総菜などが並ぶチルドケースは従業員が裏を通り抜けられる「ウォークイン冷蔵庫」に。通路側からしていた商品補充を裏側からできるようにした。揚げ物で使うフライヤーの換気扇を改良し、毎日15分かけた洗浄作業が週1度でもきれいに保てるようになった。加熱時間などを自動認識する電子レンジも導入。これらの作業にかかる時間を半減できたという。
ローソンも約2千店に太陽光パネルを設置しており、今年1月には太陽光発電で使用電力の15%をまかなう店舗を群馬県館林市内に開業した。ファミリーマートも約2千店に太陽光パネルを導入しているほか、今年は電気使用量25%削減を目指す実験店を関東に5店出す。(高橋末菜)