NHKの子会社「NHKアイテック」(東京都渋谷区)の元社員2人が同社から約2億円を着服したとされる問題で、警視庁は6日、2人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
捜査2課によると、逮捕されたのは石川泰之(46)=さいたま市西区=、栗原貴幸(41)=千葉県松戸市=の両容疑者。実態のないテレビ設備保守会社を設立し、地上デジタル放送の受信施設に関する工事を架空発注する手口で、2014年2月ごろ~15年4月ごろ、アイテックから約1200万円をだましとった疑いがある。石川容疑者は借金の返済に、栗原容疑者は生活費や貯蓄にあてたと供述しているという。
NHKの調査報告書によると、2人は09年10月にこの保守会社を設立。15年10月までの間に約500件の業務を発注し、アイテックに計約2億円を支払わせて着服したという。2人はNHKの調査に「上司の厳しいチェックが入ることはなかった」と述べ、不正を認めていた。
アイテックは送受信ネットワークの整備や保守業務を行うNHKの子会社。着服は15年11月、東京国税局の調査で発覚し、2人は今年2月に懲戒解雇された。