原子力規制委員会の田中俊一委員長が15日、8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機がある愛媛県を訪れ、中村時広知事と会談した。田中委員長は16日に3号機を視察する。規制委によると、東京電力福島第一原発事故以降、再稼働後の原発への委員長視察は初めて。
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田中委員長は15日午前に県庁を訪問した。伊方原発は佐田岬半島の付け根付近にあり、半島の住民は海路避難も想定されている。会談では中村知事が「(放射線量を測定する)モニタリングの情報が船の行き先を決める生命線になる。しっかりやってほしい」と述べると、田中委員長は「要望にできるだけ応えていきたい」と応じた。午後からは原発がある伊方町で高門清彦町長と会談する。
田中委員長は夕方から、県の広域避難計画で海路避難の出発地の一つとして想定する三崎港を視察した後、住民との意見交換会にも臨む。16日は伊方3号機を視察し、四電の佐伯勇人社長と会談する予定。
田中委員長の原発視察は、福島第一原発を除くと、福島第二原発、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)、中国電力島根原発(松江市)に続き4例目。