東京電力福島第一原発3号機で今月5日に発生した原子炉注水が止まるトラブルで、水を送るポンプが停止したのを知らせる警報が鳴ったのに、作業員が点検で鳴ったものと誤認して対応をとっていなかったことがわかった。東電が16日発表した。ポンプ停止の把握が遅れ、別のポンプを動かして注水が再開するまで1時間近くかかった。
福島第一3号機、原子炉冷却一時止まる 作業員がミス
注水の停止は5日午前10時ごろ発生した。幅85センチほどの狭い通路で作業をしていた作業員の服がスイッチレバーにひっかかり、レバーが動いてポンプが停止。警報が鳴った。
一方、東電によると、この日は、原発内の各種の計器類の警報の点検が行われており、建屋では警報が何度も鳴っていた。点検担当の作業員は、ポンプ停止の警報が鳴った際、点検かどうかの確認をしないまま「点検による警報」と判断したという。
レバーが動いたことに気づいた作業員が東電の責任者に連絡し、注水の停止が確認されたのは、警報が鳴ってから約30分後だった。別のポンプを起動したものの、結果的に注水が約1時間にわたって止まった。