十六銀行(岐阜市)のシステム開発を受注したIT関連会社「ネットワンシステムズ」(東京)から外注費を装い約3億6千万円をだましとったとして、詐欺罪に問われた元同行行員ら3人の判決が19日、東京地裁であった。辻川靖夫裁判長は、架空発注の仕組みを考案した会社役員の山田英司被告(54)=東京都江東区=に懲役4年(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。
ほかに十六銀の発注担当だった兼松英作被告(52)=岐阜県美濃加茂市=を懲役2年6カ月(同懲役5年)、元同行行員でネットワン社元社員の森浩幸被告(56)=岐阜市=を懲役2年6カ月(同懲役4年6カ月)とした。
判決は、山田被告が架空の外注先などを森被告に紹介したと判断。辻川裁判長は「ネットワン社の外注手続きの審査が不十分であることを利用した、計画的な犯行だ」と指摘した。だまし取った額のうち山田被告が1億5千万円、兼松、森の両被告が各7千万円を受け取った、と認めた。(志村英司)