地震の影響で一部通行止めとなった常磐自動車道の日立南太田インターチェンジ=28日午後11時15分、茨城県日立市、長島一浩撮影
28日午後9時38分ごろ、茨城県北部を震源とする最大震度6弱の地震があり、東北から東海の広い範囲で揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは11キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・3と推定される。東日本大震災の余震と見られるという。
茨城県で震度6弱の地震 推定M6.3、津波の心配なし
気象庁によると、震度6弱は茨城県高萩市、震度5強は茨城県日立市、震度5弱は茨城県常陸太田市など、東北から関東の広い範囲で震度4以上を観測した。
日本原子力発電によると、停止中の東海第二原発(茨城県東海村)では地震による異常は報告されていない。東京電力によると、福島第一、第二原発とも異常は確認されていない。いずれも周辺の空間放射線量に変化はないという。
茨城県災害対策本部によると、地震の影響で高萩市内の施設で天井が落下したほか、国道461号や県道の計4カ所で落石し、190戸で断水している。北茨城市内では40代の女性が軽傷を負った。
JR東日本によると、東北新幹線は大宮―仙台駅間で一時運転を見合わせた。また、奥羽線は庭坂(福島市町庭坂)―板谷(山形県米沢市板谷)駅間の上下線で運転を見合わせ、停車中の山形新幹線の車内で乗客約500人が約3時間にわたり、発車を待った。
政府は28日午後9時38分、首相官邸の危機管理センターに対策室を設置した。安倍晋三首相は関係省庁に対し、早急に被害状況を確認すること▽自治体と緊密に連携して政府一体で災害応急対策に取り組むこと▽国民に避難や被害などに関する情報提供を的確に行うこと――を指示した
茨城県高萩市の旅館「高萩山の湯」では、棚の上の防犯カメラのモニターや冷蔵庫内のビール瓶が倒れた。宿泊客はなく、従業員にけがはなかった。男性従業員(61)は「突然、ガタガタと強く横に揺れて怖かった。1分近く揺れた。近くの冷蔵庫にしがみついていた」と話した。
気象庁は28日深夜に会見を開き、青木元・地震津波監視課長が「今後1週間程度は最大震度6弱程度の地震に注意してほしい」と呼びかけた。