大阪市北区の北野病院で昨年末から今月初めにかけて2回にわたり、患者に使う予定だった点滴袋に穴があいていたと同病院が4日、発表した。患者への被害はなかったが、人為的にあけられた可能性があるとして、病院は、大阪府警曽根崎署に器物損壊容疑で被害届を出した。
同病院によると、昨年12月28日午後、産婦人科などが入る7階にあるナースステーションで点滴袋からブドウ糖液が漏れているのに看護師が気づいた。調べたところ、引っかかれて破れたような跡が見つかった。
今年1月1日午前には、同じ階の病棟で、ナースステーションから点滴袋を運んだ際、トレーがぬれているのが見つかり、袋に小さな穴があいていた。いずれも倉庫にあったものを、使用する当日に、職員が出入りする7階ナースステーションに移し、箱に入れて棚に置いていたという。
同病院の吉村長久病院長は4日、「関係者の皆様には、多大なるご心配をおかけしておりますことを深くお詫(わ)び申し上げます。さらなる管理体制の改善を図り、安全管理に努めていきます」との談話を出した。
病院内の点滴袋をめぐっては、昨年9月、横浜市の病院で異物が混入した点滴で入院患者が死亡。北九州市や山口県下関市の病院でも穴があいた点滴袋が見つかり、大阪府立成人病センター(大阪市東成区)では11月、入院患者に投与していたものに穴があいていたのが発見された。