黒崎愛海さん(仏ブザンソン市のツイッターから)
筑波大からフランス東部ブザンソンに留学中の黒崎愛海(なるみ)さん(21)の行方不明事件について、仏捜査当局は3日、殺人の容疑で捜査を進めていることを明らかにした。「失踪や自殺の線は排除した」と説明。国際指名手配にしている南米チリ人の男は、黒崎さんとかつて交際していた人物だという。地元検察が記者会見で発表した。
チリ警察は3日、朝日新聞の取材に「男は昨年12月にチリに帰国した」と明らかにした。捜査については「正式な捜査はまだ開始していない。今後の具体的な見通しは明らかにできない」と語った。
男は筑波大に留学経験があるとされ、仏検察は「黒崎さんとは別れているが、行方が分からなくなった当時、ブザンソンにいた」と説明した。黒崎さんはフランスでの生活を楽しんでおり、自殺などの要因は見あたらないという。「黒崎さんの家族や友人は、チリ人の男のことが気になると話している」とも語った。
これまでの捜査で、黒崎さんの足取りが確認されたのは12月4日の夜が最後。2人がそろって郊外で夕食をとった、と仏メディアが伝えている日だ。2人はその後、黒崎さんの学生寮に戻ったとされる。検察によると、その夜10時から11時ごろを最後に黒崎さんの足取りは分からなくなった。黒崎さんと同じ寮に住む複数の学生が、その夜に「叫び声を聞いた」と証言していることも明らかにした。
学生寮の関係者によると、黒崎…