宮崎の県の花「ハマユウ」の白と、太陽のオレンジをイメージし、明るく開きやすいものを、とデザインされた「ワタシシルベ」
「遺言書」と聞いて、相続トラブルや言い出しにくい話など、良い印象を持たない人は多い。書き残さなかった、書いたのに見つからないという話も、よく聞く。そんな遺言書の「イメージを変えたい」と、宮崎市の行政書士らが新しい遺言書の形を提案している。
その名は「ワタシシルベ」。家族の相続協議に助言する行政書士の金子聡さん(39)が発案した。「子供から『これ書いてよ』って親にプレゼントできるものにしようと思った」
ワタシシルベは2冊のリングファイル「ワタシ」と「シルベ」から成る。
ワタシは本人の記録用。「1番の誇りは」「もう一度行ってみたい所は」など70問ほどの質問に答える形式だ。「空を見上げたのはいつですか」「カッコイイって何ですか」といった抽象的な質問も。「様々な角度から質問することで、家族も知らなかった一面が浮かび上がる」と金子さん。
シルベは遺言書に公的効力を持たせるためのもの。戸籍謄本や家族構成表、遺言などを収める。行政書士らの添削も受けられる。
完成したワタシシルベは金融機関の金庫で保管され、本人が亡くなると家族の手元に届く。金子さんが理事を務める宮崎市の一般社団法人「日本ゆいごん書協会」が昨年12月に発売した。
きっかけは、金子さんが経験し…