仏教徒が大半のミャンマーでイスラム教徒ロヒンギャへの人権侵害が報告されている問題で、政府の調査委員会が「虐殺や迫害はなかった」とする中間報告書を出し、人権団体から批判が出ている。ロヒンギャへの暴行容疑で警官が拘束されたばかりで、委員会の中立性に疑問の声も上がる。
同国西部ラカイン州では昨年10月に武装集団が警察を襲撃。治安部隊が掃討作戦を進める中で州北部に数多く暮らすロヒンギャ住民に対し性的暴行や殺人、住居への放火などを行ったとの証言が報じられている。
政府はこうした疑惑を否定してきたが、3日付で公表された調査委の中間報告書は、ロヒンギャの人口やモスク(イスラム礼拝所)の増加が「虐殺や宗教的迫害がない証拠」と言及。性的暴行については「十分な証拠がない」とし、放火や不当逮捕、拷問については「調査を続ける」とした。
昨年末に武装警官がロヒンギャ…