政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金、社長=安達健祐元経済産業事務次官)は6日、景気悪化や災害時の国の制度融資の審査で不正があったと発表した。制度の適用を受けるため、職員が融資先の企業の資料を改ざんしていた。件数は判明した分だけで221件にのぼる。融資総額は公表していない。
不正は昨年10月に発覚し、12月に第三者委員会を設置した。現時点で鹿児島、岡山、名古屋、松本(長野県)の4支店で不正があったことが判明しているという。計15人の職員が、融資先の財務状況を示す資料などを改ざんしていた。業績が大きく悪化していないのに悪化したように見せかけるなどして、危機対応融資の適用を受けていた。今後の調査で不正の件数が増える可能性がある。
同融資は自然災害などで業績が悪化した企業に運転資金などを貸す制度。商工中金は国から利子補給が受けられ、貸し倒れの際の穴埋めもある。急な資金が必要な企業に貸しやすくする制度だが、基準を満たさない企業でも適用されるように不正を行っていた。理由について「内部評価を得ること」「業績評価の対象となっていた」などと説明している。
商工中金は今後第三者委員会の…