中央道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故から先月で4年が過ぎた。東日本、中日本、西日本の高速道路3社は事故後、トンネルなどの保守点検業務の「点検実施者」向けに、共通の技術資格を創設するなど同業務の信頼向上に取り組んでいる。一方、実施者の業務を統括する「管理技術者」については、中日本と東日本の2社は技術資格の保有を要件としていない。
朝日新聞の調べでわかった。西日本は国家資格などの有資格者を要件としており、専門家は「3社で基準はそろえるべきで、資格の保有を要件とするのが本来の姿だ」と指摘する。
高速道路も一般道路も、道路管理者は、トンネルや橋の修理や交換が必要かどうかを調べる保守点検業務を業者に発注している。国や自治体は「管理技術者」には国家資格などの有資格者を置くよう定めている。
一方、高速道路では中日本が「十分な実務経験」、東日本が「経験年数15年以上」を要件としているものの、両社は特定の資格は求めていない。両社は「高速道路のメンテナンスは点検以外にも内容が多岐にわたる。特定の資格を求めるのではなく幅広い実務経験を求めてきた」と説明する。
なお、西日本は2007年度か…