沖縄の基地反対運動のリーダーらが不当に逮捕・長期勾留されているとして、ルポライターの鎌田慧さんら文化人グループが12日、東京都内で記者会見し、早期釈放を訴えた。リーダーの勾留は約3カ月に及ぶとして「反対運動をつぶすためのものだ」と主張。賛同した約1万6千筆の署名を近く那覇地裁に提出し、勾留をやめるよう求める。
勾留されているのは、米軍普天間飛行場の移設作業が進む沖縄県名護市辺野古や、東村高江のヘリパッド建設現場などで抗議行動をとりまとめてきた山城博治・沖縄平和運動センター議長(64)ら。県警は昨年10月17日、沖縄防衛局が設置した有刺鉄線2カ所を切断したとして、山城議長を器物損壊容疑で現行犯逮捕。那覇簡裁は20日に勾留請求を却下したが、県警は同日夕に別件の傷害容疑などで再逮捕。その後、那覇地裁が器物損壊容疑での勾留を認めた。さらに、県警は昨年1月に米軍施設前にブロックを積み上げて作業を邪魔したとする威力業務妨害容疑で、11月に再び逮捕した。
会見で鎌田さんは「長期勾留で微罪を大きな罪に見せようとしている。これを許すと今後の大衆運動に影響がある」と指摘。評論家の佐高信さんや作家の落合恵子さんら4人も呼びかけ人に名を連ねた。
県警は「法と証拠に基づいて適切に対処したもので、『基地反対運動を阻害する』などの意図はありません」とコメントした。(小山謙太郎、岩崎生之助)