全国世論調査の結果
■天皇陛下の退位めぐる議論
朝日新聞社による14、15日の全国世論調査(電話)では、一代限りの退位を可能とする特例法案に「賛成」は63%で、「反対」の27%を大きく上回った。ただ、特例法案に「賛成」とした人に、法案が成立した場合でも、今後のすべての天皇の退位のあり方について、さらに議論を続ける方がよいと思うかどうか聞くと、「続ける方がよい」は75%に上った。
世論調査―質問と回答〈1月14、15日実施〉
特例法案に「賛成」とする人でも、そのうちの7割超が、退位についての議論を一代限りでとどめることには否定的なようだ。
今回の調査ではまず、特例法案には言及せずに、今の天皇陛下だけが退位できるようにするのがよいかどうかを尋ねた。すると、「今の天皇陛下だけが退位できるようにする」25%に対し、「今後のすべての天皇も退位できるようにする」62%が大きく上回った。「天皇は退位すべきではない」は6%だった。
さらに、政府が国会に提出方針の特例法案への賛否を尋ねると、「賛成」63%に対し、「反対」27%と、退位を一代限りとする法案に「賛成」のほうが上回った。
こうした一見矛盾するかのような回答の背景を探るため、そこで、特例法案に「賛成」と答えた人にのみ、法案成立の場合でも、退位についての議論を続ける方がよいかどうか聞くと、「議論を続ける方がよい」75%が、「その必要はない」の20%を大きく上回った。内閣支持層でも、「議論を続ける方がよい」は75%、「その必要はない」は21%だった。
内閣支持率は54%(前回12月調査では50%)に上昇、不支持率は26%(同31%)に下落した。