バノン大統領上級顧問兼首席戦略官=ロイター
トランプ米大統領が、米国の安全保障戦略を練る国家安全保障会議(NSC)を改編し、中央委員会の常任委員に、バノン大統領上級顧問兼首席戦略官を加えると発表したことが、物議をかもしている。一方で統合参謀本部議長らが非常任に「格下げ」され、共和党重鎮のマケイン上院軍事委員長も「前代未聞だ」と異を唱えた。
トランプ氏は28日の大統領令でNSCの改編を発表。閣僚級で構成する中央委員会に関し、これまで常任メンバーだった統合参謀本部議長や国家情報長官を「彼らの責任や専門に関する問題が討議される」時だけ出席すると「非常任」に改定。一方で首席戦略官を務めるバノン氏を「常任」に格上げした。
バノン氏はトランプ氏の最側近の一人。大統領選では、陣営の選挙対策責任者を務めた。これまで白人至上主義など、人種差別的で女性蔑視の記事を掲載する右派のニュースサイト会長を務めてきた。中東・アフリカ7カ国の国民の一時入国禁止に関する大統領令を下書きしたのもバノン氏とされる。今後、安全保障など政策面で影響力を強める可能性が高い。
行政経験のないバノン氏の起用…