キャンプ・シュワブ沖にコンクリートブロックが投入された=7日午前9時25分、沖縄県名護市、金子淳撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設計画で、沖縄防衛局は7日、汚濁防止膜の重りとなるコンクリートブロックを海底に沈め、埋め立てに向けた本格的な作業を始めた。翁長雄志(おながたけし)知事は「事前協議もなく、憤りでいっぱいだ」と述べ、工事の中断を求めた。
辺野古でブロック投入作業開始 沖縄防衛局
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この日は、2隻の作業船がクレーンで1個十数トンのブロックをつり上げ、海に沈めた。数カ月かけて計228個を投入し、汚濁防止膜を張った後、4~5月にも護岸工事を始める予定だ。
沖縄防衛局によると、特殊作業船を使った海底のボーリング調査も7日から再開した。国と県が裁判で和解した昨年3月に中断し、予定の24カ所中1カ所が終わっていなかった。政府関係者によると、ほかに十数カ所の調査を追加するという。
一方、報道陣の取材に応じた翁長知事は「工事を強行すれば、県民感情は米軍全体への抗議となり、基地の運用は難しくなる」と政府を強く批判。改めて「あらゆる手法で(工事を)止める」と語った。県は6日に続き、工事の停止と工事についての説明を求める文書を防衛局に送った。
埋め立て予定海域の陸側にある米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、7日も朝から移設に反対する市民らが集まって「基地を造らせるな」と抗議。県警の機動隊員ともみ合いになった。海上でも移設反対派のカヌー10隻ほどが作業に抗議した。