ウィッツ青山学園高校の捜索に入る東京地検特捜部の係官=2016年9月16日、三重県伊賀市
株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金詐取事件で生徒が激減したなどとして、通信制課程の生徒を支援するサポート校を運営していた法人と個人が、学園経営会社「ウィッツ」などに計7億6728万円の賠償を求め、大阪地裁に提訴した。8日に第1回口頭弁論があり、被告側は請求を退けるよう求めた。
原告は埼玉や愛知、大阪、兵庫、広島、愛媛、香川、島根、福岡の各府県でサポート校計13校を運営し、ウィッツ側と契約していた6法人と5人。
訴状によると、ウィッツは2005年に「初の株式会社立の学校」として学園を開設。各地の学習塾などとサポート校契約を結び、通信制生徒を増やした。
ところが15年12月以降、買い物の際の釣り銭計算を「数学」と扱うなどのずさんな単位認定が発覚。さらに受給資格がない生徒の就学支援金を受け取っていた疑いが浮上し、東京地検が詐欺事件として捜査に乗り出し、元監査役がのちに詐欺容疑で逮捕された。監督権を持つ伊賀市は16年3月、生徒の新規募集を停止するよう行政指導した。
訴状で原告側は「放漫経営によって不祥事と無関係のサポート校にまで影響が及び生徒が激減した」と主張。ウィッツやその親会社、元監査役らに一連の不祥事の責任があるとして、入学辞退や転校に伴う損害などの賠償を求めている。
一方、ウィッツの親会社「東理ホールディングス」(本社・東京)は、ホームページ上で「内部統制システム構築義務違反、任務懈怠(けたい)および不法行為はしていない」として反訴する意向を示している。
ウィッツ青山学園高校の運営は今年4月から、別の学校法人に交代する方向で検討が進んでいる。