沖縄県沖縄市内の中学2年の男子生徒が昨年5月、市外の生徒に一方的に殴られ、その様子を撮影されていた。市教委が7日、発表した。被害生徒はその後、長期間不登校になったが、学校や市教委は暴行されたことを知りながら重大ないじめと考えず、文部科学省の指針に沿った調査などをしなかったという。
無抵抗の中学生、同級生が殴る蹴る ネットに動画
市教委によると、昨年5月11日、放課後に市内の公園で、被害生徒が市外の中学の生徒に一方的に殴られた。その場には他に4人の生徒がおり、様子を撮影。その動画を友人らに送っていた。加害生徒は3月まで同じ学校の同級生だった。
学校は5月30日に保護者からの連絡で事実を把握し、市教委に報告するとともに生徒らに動画の削除を指導したが、被害生徒は6月から今年1月まで不登校になった。このケースは、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に当たる可能性があるが、学校や市教委は、調査組織の設置など指針に沿った対応をしていなかった。市教委の宮城康人指導部長は「危機意識が不足していた」と話した。
被害生徒の中学では1月にも、別の生徒が同級生に暴行される様子を映した動画がインターネット上に投稿され、被害者が県警に被害届を出している。学校は近く調査委員会を設置し、2件の詳細を調査し、学校の対応を検証するとしている。