竜王戦の予選で対局に臨む三浦弘行九段=13日午前10時2分、東京都渋谷区の将棋会館、角野貴之撮影
将棋ソフトの不正利用の疑いが晴れた三浦弘行九段(43)が13日午前から、東京都渋谷区の将棋会館で約4カ月ぶりの対局に臨んでいる。竜王戦の予選で、相手は羽生善治三冠(46)。夜までに決着する見込み。
将棋ソフト不正騒動
対局前、スマートフォンなどを持ち込んでいないか、金属探知機を使った両対局者のボディーチェックがあった。一連の騒動を踏まえた三浦九段の意向だったが、羽生三冠が「対等な条件で戦いたい」と申し出て、両者に行われた。
詰めかけた報道陣は約50人。日本将棋連盟の佐藤康光会長(47)の立ち会いの下、最も格式が高い特別対局室で午前10時、対局が始まった。先手番の羽生三冠が程なくして初手▲7六歩を指したのに対し、三浦九段は頭に右手を当てて考え込む。2分の考慮で△8四歩と指した。
三浦九段はスマートフォンなどを使った対局中の不正を疑われ、連盟から昨年10月に同年末までの出場停止処分を受けた。しかし、連盟が委嘱した第三者調査委員会は「不正の証拠なし」との結論を出した。
今月7日、記者団の取材に応じた際には、騒動後、家族の心労などで将棋の研究ができなかったと明かし、「復帰早々、大変な相手。思い切りぶつかるだけ」と話した。(村瀬信也)