中東から逃れてきた男性は、小学生用のドリルで漢字を学ぶ。この日は数字。「いち、に、さん……」。書き順を唱えながら練習していた=大阪市淀川区
日本の人口のおよそ2人に1人にあたる6500万人が、世界で難民・避難民になっている。難民認定を求め、日本に来る人たちも増えている。こうした人たちが寝泊まりできる施設を大阪市の民間団体が作り、初の入居者が現れた。
■空き家を活用
この「OSAKAなんみんハウス」(大阪市淀川区)は、難民支援団体「在日難民との共生ネットワーク」(通称・ラフィック)が、昨年10月に開設した。空き家を活用して欲しいと、所有者からラフィックに申し出があり実現。地元自治会にも加盟している。
今回、住み始めたのは中東出身の男性(25)だ。
宗教上の理由などで迫害される恐れがあったため、2015年夏、関西空港から日本に入国しようと試みた。しかしパスポートに問題があり、大阪入国管理局に不法入国で1年4カ月収容された。その後、長崎県にある大村入国管理センターに移った。収容が長期化したため、弁護士が仮放免許可を申請。ラフィックのスタッフが保証人になり、1月下旬に許可された。
男性が日本を避難先に選んだのは、「平和で優しい国と思ったから」。出身国で、アニメ「ドラえもん」や「キャプテン翼」を見て育ち、親近感もあった。
仮放免になったことについて聞…