いつか必ず・・・立ち並ぶ仲間を待ち続ける(2013年9月、陸前高田市、岩手県沿岸広域振興局/@リアスNPOサポートセンター提供)
岩手県釜石市のNPO「@(アットマーク)リアスNPOサポートセンター」が、東日本大震災の被災と復興の経験を広く後世にも伝えようと、被災地で写真撮影を続けている。地元住民たちが参加する企画「復興カメラ」は、造成工事などインフラの復旧だけでなく、伝統や暮らしを取り戻す人々の表情にも、レンズを向ける。
写真特集:6年を語る「復興カメラ」
特集:3.11 震災・復興
(東日本大震災6年)17歳あれから
2011年8月、地元の有志11人が企画の撮影を始めた。現在は川原康信(やすのぶ)さん(55)と一兜(ひとつかぶと)育恵さん(37)、常陸(ひたち)奈緒子さん(32)の3人が継続し、生活者の目線で日常の変化を記録している。釜石市と大槌町を中心に、他の沿岸部に足を延ばしたり、定点撮影をしたり。常陸さんは「被災地では昨日の写真は撮れないから、今の写真が大切」。一兜さんは「大槌が大好きだから、これからも見ていたい」と話す。
「復興カメラ」が約5年半で撮りためた写真は10万枚以上になるという。一部をフェイスブックやホームページ(
http://kickoff-rias.com/fukkocamera/
)などで公開中だ。今年の3月11日には、2004年に中越地震に見舞われた新潟県長岡市(旧山古志村)で開かれる催しに写真パネル50枚を貸し出す予定だ。(鬼室黎)