保育士転職・就職フェアでは、担当者が参加者に熱心に声をかけていた=千代田区
保育士不足が深刻化するなか、今春に必要な保育士数を確保できていない都内の自治体は1月末現在、少なくとも7区3市あり、保育士の不足数は約130人にのぼることが、朝日新聞の自治体アンケートでわかった。
都内の保育所、計画断念や延期23件 住民との調整難航
アンケートは、23区と昨年4月時点で待機児童が100人以上いた都内13市に実施した。保育定員増のために必要な保育士数や現在の確保数について「把握していない」「調査中」などと無回答だった7区市を除き、29区市で計2613人。確保数は割合か人数で答えてもらった。
保育士不足と回答したのは中央、新宿、墨田、目黒、大田、渋谷、杉並の7区と、三鷹、狛江、国分寺の3市。「事業所が保育士を集められていない」などとして、保育士の確保は必要数の75%~97%。人数に換算すると合わせて約130人だった。
4月の定員増に向けて必要な保育士数を聞いたところ、世田谷区が400人で最多。同区は100%確保できていると回答した。次いで350人とした杉並区は確保率が80~90%と回答。「事業所を2カ所併願し、内定を辞退する可能性のある保育士も含めて見積もった」という。
大田区は必要な保育士150人に対し、確保がまだ約75%と回答。「新規開園する保育園の具体的計画が昨秋以降に決まり、保育士の確保が開園直前までずれ込みそう」という。
都は待機児童ゼロに向け、年1万7千人~1万8千人分の保育施設を新設する計画で、保育士も年4千人弱が新たに必要になる計算だ。
これとは別に、待遇の問題や結婚などを理由に年平均8・4%が離職しており、年約3500人の補充も必要という。杉並区の担当者は「新規開園が続き、保育士が必要な状態も続くだろう」とみる。
2月中旬、千代田区であった保…