アジア経済について政財界の要人が議論する国際会議「ボアオ・アジアフォーラム」の開幕式が25日、中国海南省の博鰲(ボアオ)であった。張高麗(チャンカオリー)副首相が演説で「断固として経済グローバル化を擁護し、自由貿易を推進したい」と語り、保護主義の動きを否定する中国の立場を改めて鮮明にした。
中国は、同フォーラムを「アジア版ダボス会議」と位置づける。張氏は、習近平(シーチンピン)国家主席が1月のダボス会議で保護主義に警鐘を鳴らした点を挙げ、「今こそアジアが知恵を出し、手を携えて経済の安定を築く時だ」と強調した。理事長の福田康夫元首相も、あいさつで「反グローバリズムという困難な問題があるが、グローバル化が繁栄をもたらし、新興国を貧困から脱却させたことは紛れもない事実だ」と述べた。
会議には、世界から約1800人が参加。ただ、毎年交代で出席してきた習氏と李克強(リーコーチアン)首相が今回は参加せず、やや落ち着いた会議となった。(中国海南省・博鰲=冨名腰隆)