スピードスケート女子1500メートルの表彰式で笑顔を見せる優勝した高木美帆(中央)、2位の押切美沙紀(左)、5位で銅メダルの張虹(中国、右)=遠藤啓生撮影
3位なのに銅メダルがもらえない――。札幌市と帯広市で開かれている札幌冬季アジア大会で、そんな珍事があった。
21日に行われたスピードスケート女子1500メートル。6カ国から17選手が出場する中、高木美帆(日体大)が1分56秒07の大会新記録を出し、押切美沙紀(富士急)が2位、高木菜那(日本電産サンキョー)が3位に入った。地元・北海道出身の3人でメダル独占、と思いきや、表彰式で銅メダルを手にしたのはタイムでは5位の張虹(チョウコウ、中国)だった。
2014年ソチ五輪では女子1500メートルなど4種目でオランダ勢が表彰台を独占した例があるが、アジア大会では独自のルールがあり、それはできなくなっている。特定の国にメダルが集中するのを防ぐため、「1種目で1カ国メダル2個まで」と決められているのだ。
高木菜に次ぐ4位にも日本勢の佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が入っていたため、5位の張が繰り上がることに。高木菜は「ルールは知っていたので、自分が3番目だったのがダメ。いいレースができたから良しとしようかな」と明るかった。一方、張は「メダルを取れて良かったという人もいるけど……。日本選手の好成績に『おめでとう』と言いたい。次は実力で表彰台に上がりたい」と話していた。(菅沼遼)