デビッド・ボウイとの思い出を語る坂本龍一さん=29日夜、東京・天王洲、西畑志朗撮影
ミュージシャンの坂本龍一さんが29日夜、東京・天王洲の寺田倉庫で「トーク&ライブ」に出演した。英ロックアーティストの故デビッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」(朝日新聞社など主催、4月9日まで)に関連したイベント。約350人を前にボウイとの思い出を語り、ピアノ演奏で鎮魂した。
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トークでは、俳優としてボウイと共演し、音楽も手がけた映画「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督、1983年公開)の話題が中心に。撮影の合間、ホテルのプールサイドで日本人のエキストラが前衛的な舞踏(暗黒舞踏)を見せると、ボウイは感動して男性を抱きしめたという。「暗黒舞踏のよさを一番理解していたと思った」
ピアノに向かうと、陰影に富む和音の中に透明な旋律を響かせた。アンコールも含め11曲。「戦場のメリークリスマス」の曲も演奏した。坂本さんは「ボウイは、自分の体をオブジェとしたビジュアルアーティストで、いわば20もの人格を持つ人間だったように思う。鎮魂の気持ちをこめて選曲し、演奏した」と話した。(米原範彦)