東芝の臨時株主総会に出席するために会場に入る株主ら=千葉市の幕張メッセ
30日に開かれた東芝の臨時株主総会は、昨年末に米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の巨額損失が明らかになって以降、初めての株主への説明の場となった。一連の不正会計問題に続く経営の失敗に、会場に集まった株主は経営陣への不満やあきらめの声を口々に漏らした。
特集:東芝の巨額損失問題
40年ほど前からの株主という神奈川県横須賀市の関沢勇夫さん(78)は、東芝の現状を「残念なんて言葉では足りない。怒りの持って行きどころがない」と憤る。東芝は2015年春に発覚した不正会計問題で巨額の損失を計上した後、医療機器子会社の売却などで再建を進めていたところで、「やっと落ち着いたかな、と思っていたのに。組織が機能していないのが原因だ」と語った。
東京都豊島区の大学教員樋口徹さん(47)も「悪い体質が払拭(ふっしょく)できていない」とあきれ顔だった。稼ぎ頭の半導体事業を売却することについては「当座をしのぐためにはやむを得ないが、資産を残さないと会社に未来がない」と話す。
元東芝社員という埼玉県入間市の関谷一男さん(70)は「問題が相次ぐのは上意下達の会社風土が問題だ。賃金カットやリストラばかりでは東芝に将来はない」と後輩の現役社員たちを気づかった。