ニューヨークの国連本部で開かれている「核兵器禁止条約」の交渉会議で、被爆者として核廃絶を訴える演説をしたカナダ在住のサーロー節子さん(85)が朝日新聞など報道陣に思いを語った。
特集:核兵器禁止条約
特集:核といのちを考える
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現在と将来の子孫だけのことではなく、広島や長崎で多くの無垢(むく)の人たちが命を失った。亡くなった人たちのことを思わずに前進はない。私が今まで活動してきたのも、そういう人たちの思いや記憶が推進してくれたと思う。それを皆さんに聞いて欲しかった。
こういう場で、言わないといけないと信じることを発言し、それに皆さんが賛同の意を示して下さった。これだけ励みになることは、こういう運動をしている者にはあまりないことです。
今までやってきたことを、より多くの人に、より広い場所から集まった人たちに聞いてもらえたという満足感はある。ここにいる人たちは私のいうことに異議がない。みんな支持して下さる。そういった喜びがある。
みなさんも日本政府の演説を聞きましたでしょ。こういうところに来て、ああいう報告しか日本からできないというのは悲しいことだと思います。悲しい以上に情けない。頼りない国だと思いますね。国民の気持ちに耳を傾けて、それを理解し、みんなで行動に移そうというリーダーシップがとれない国なんですよ。本当に悲しい以上の怒りを感じますね。
ましてやこういう平和とか軍縮…