男子SPの演技を終えガッツポーズする宇野昌磨=林敏行撮影
(30日、フィギュア世界選手権 男子SP)
フィギュア特集 Kiss and Cry
男子SPの得点一覧
思わずガッツポーズが飛び出した。19歳の宇野昌磨が自己最高を4点以上も上回る世界歴代3位の104・86点。「気持ちよく滑ることができた。1年やってきたことを出せたことが本当にうれしかった」。樋口コーチと抱き合って喜んだ。
先に滑ったチェンや羽生がジャンプでミスをしても、宇野は冷静だった。冒頭の4回転フリップジャンプを成功させると、4回転トーループ―3回転トーループの連続ジャンプも鮮やかに決めた。出来栄え点(GOE)でともに1点以上の加点がつくジャンプで勢いに乗った。
前回大会は7位に終わり、「同じ失敗はしたくない」。今年は2月の四大陸選手権、札幌冬季アジア大会から中1週で、トップ選手の出場が少ないプランタン杯(ルクセンブルク)に出場。あえて過密日程を選んで、精神面を鍛えた。さらに苦手な時差調整対策で、今大会開幕の1週間以上前に現地入り。「この1年間の成功や失敗、色んなものの積み重ねが今日の演技につながった」
2位宇野から6位チェンまでの差は7・53点。一つのミスで順位が入れ替わる混戦状態にある。「地力というか、みんながノーミスの時の力が僕は1位じゃないので。1位を狙える立場じゃない」。そう謙遜した後、付け加えた。「ただ、負けたくない」(野田枝里子)
■宇野は23番滑走
1日の男子フリーの滑走順抽選があり、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(中京大)は24人中23番滑走、SP5位の羽生結弦(ANA)は19番滑走、SP22位の田中刑事(倉敷芸術科学大)は3番滑走となった。SP首位で3連覇を狙うハビエル・フェルナンデス(スペイン)は最終24番滑走で、3位のパトリック・チャン(カナダ)が22番滑走。