モスクワ中心部の広場で6日、サンクトペテルブルクで起きた地下鉄爆破テロ犠牲者の追悼集会に参加し、祈りを捧げる人たち=駒木明義撮影
ロシア・サンクトペテルブルクで起きた地下鉄爆破テロ事件の犠牲者の追悼集会が6日夕、現場近くとモスクワ中心部で開かれた。
サンクトペテルブルクでは、現場の一つの地下鉄の技術大学駅そばの大通りを車両通行止めにして行われ、数万人が集まった。ポルタフチェンコ市長は「我々は、悪に対する決意を示すため、今日ここに集まった。最近、ロンドン、パリ、ベルリン、ブリュッセルで(テロ事件が)あった。団結しなくてはならない」と訴えた。ロシア正教やイスラム教、ユダヤ教などを代表する宗教者も登壇して、難関を乗り越えるための協力を訴えた。
事件時に現場の隣駅にいたという地元大学生のアレクセイ・カルペンコさんは友人とテロの脅しに負けないことを示そうと参加した。「誰でも犠牲者になり得た。もしも前の電車に乗っていたら自分も事件に巻き込まれていた」と取材に答えた。
モスクワでは、市中心部のクレムリンに隣接する広場に数万人が集まった。各政党からの参加者が持参した多くの旗が翻っていたが、司会者がたたむようよびかけた。テロへの抗議の声を国民の団結につなげたいという政権の意向がにじむ集会となった。(サンクトペテルブルク=松尾一郎、モスクワ=駒木明義)