上映会で写真撮影に応じる行定勲監督(左端)や主演の高良健吾さん(右から3人目)=東京都港区
熊本地震の発生から1年が経った14日、熊本出身の映画監督・行定勲さんが地震後の故郷で撮影した短編「うつくしいひと サバ?」を披露する上映会が、東京・六本木で開かれた。上映に先立ちあいさつした行定監督は「復興の途上でいろんな思いで頑張っている人たちの心情や風景を残して、未来の熊本で生きていく人たちに届けるつもりで作りました」と語った。
特集:熊本地震
行定監督は一昨年、高良健吾さんら地元出身の俳優を起用して熊本県をPRする短編映画「うつくしいひと」を撮影。完成後に地震が起き、被災前の熊本の風景を記録した映画として国内外で約200回、チャリティー上映された。
今回はその続編で、被害が大きかった益城町などを舞台に、復興に向かう風景や被災した人々を描き、高良さんらも再び出演。副題の「サバ?」はフランス語では「元気?」という意味があり、熊本へのエールが込められている。7日に熊本県で開かれた「くまもと復興映画祭」でもオープニング上映され、今夏全国の劇場で順次公開される予定。高良さんは「震災前も後も、その瞬間を生きている熊本の人たちを演じた。熊本の人たちに元気になってほしいし、県外の人には熊本の良さを知ってほしいし、興味をもってもらえるとうれしいです」と語った。(伊藤恵里奈)