バンコクのカオサン通りでは外国人観光客らもまじり、大勢が水掛けを楽しんだ=13日、貝瀬秋彦撮影
ミャンマーやタイなどで地域の正月を祝う水掛け祭りが最高潮に達している。市民が道路に出て、水鉄砲やホースで水を掛け合う姿があちこちで見られた。
ミャンマー最大都市ヤンゴンの市役所近くの臨時イベント会場では14日、トラックの荷台に乗った人たちに、ホースで大量の水が浴びせかけられた。周辺には若者らがぎっしりと乗ったトラックが100台ほど集まり、渋滞になった。町中に約60カ所ある「水掛け場」では、住民が通りかかる車や人にバケツなどで水を掛けた。
ミャンマー政府は今年、これまで10日間だった休みを5日間に短縮することを急きょ決めた。旅行ガイドのミャッティリミョンさん(30)は、「10日間の旅行の計画を立ててしまっている人もいた。来年からにすべきだったのではないか」と話した。
タイでは「ソンクラン」と呼ばれる正月を祝う水掛けが、13日から全土で始まった。例年はにぎやかな行事だが、昨年10月に死去したプミポン前国王の服喪期間でもあり、派手な演出は自粛され、繁華街などでは大型の水鉄砲の使用や酒類の持ち込みが禁じられた。
それでも、外国人観光客らも交えて、街のあちこちで水鉄砲を楽しそうに撃ち合う姿が見られた。
東南アジア大陸部にあるミャンマー、タイ、ラオス、カンボジアでは、1年のうちで最も暑さが厳しくなるこの時期に正月を迎える。水掛けには、新年を迎えるにあたって旧年の汚れを落とし、清める意味などがあるとされる。(ヤンゴン=染田屋竜太、バンコク=貝瀬秋彦)