南スーダンから撤収するため空港に向かう自衛隊員=17日、ジュバ、チャン・ダウ氏撮影
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の施設部隊が17日、撤収を始めた。第1陣約70人が首都ジュバを出発し、19日に青森空港に到着する予定。陸自第9師団(青森市)を中心とした派遣中の第11次隊は約350人。残りは5月末までに撤収を終える方針だ。
自衛隊が活動するジュバの治安は比較的安定しているが、昨年7月に政府軍と反政府勢力による大規模な戦闘が発生し、数百人が死亡。その後も国内各地で戦闘が止まらず、今月中旬には西部の主要都市ワウで少なくとも市民16人が死亡。内戦状態に陥っている。支援物資が届かないことなどから、深刻な食料不足が広がっている。
日本政府は昨年11月、安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」を第11次隊に付与したが、安倍晋三首相は今年3月、「自衛隊が担当する施設整備は一定の区切りをつけることが出来ると判断した」として撤収を発表した。(三浦英之)