毘沙門天立像(国宝)=願成就院蔵
日本史上最高の天才仏師の代表作が一堂に会する特別展「運慶」(東京国立博物館、興福寺、朝日新聞社、テレビ朝日主催)の概要が20日、発表された。全国に31体あるとされる運慶作品のうち22体がそろうなど、運慶の父子らの作品も含めた仏像計74体を展示する。9月26日~11月26日、東京国立博物館で開かれる。
運慶仏は現存数が少ないが、世界的傑作と名高い興福寺(奈良市)の無著(むじゃく)・世親(せしん)両菩薩立像(ぼさつりゅうぞう、国宝)をはじめ、写実性と迫真性にあふれた作品ばかりだ。瀧山寺(たきさんじ、愛知県岡崎市)の聖観音(しょうかんのん)菩薩立像(国重要文化財)は寺外では初公開。運慶仏の頂点の一つである願成就院(がんじょうじゅいん、静岡県伊豆の国市)の毘沙門天(びしゃもんてん)立像(国宝)や、浄楽寺(神奈川県横須賀市)の阿弥陀三尊像など5体(重文)は国内で42年ぶりの寺外公開となる。
同博物館の浅見龍介・企画課長は「運慶一色の展覧会で、強烈な印象を味わってほしい。同時に仏像のX線CT調査も進めるので、像内の納入品などから新たな運慶仏が確認される可能性もある」と話した。
また、同展のファンクラブサイト「運慶学園」(
http://unkei2017.jp/gakuen
)も20日スタート。イラストレーターみうらじゅんさんの「美術」やタレント篠原ともえさんの「手芸」など様々な「授業」や「部活動」が展開される。(編集委員・小滝ちひろ)