ウェルカムレセプションのバーコーナーで、バーテンダー役を務めた若年認知症本人の曽根勝一道さん(中央)=26日午後、京都市左京区、楠本涼撮影
京都市で26日から始まった認知症国際会議の会場では、若年認知症の本人らがバーテンダー役を務め、参加者をもてなした。
認知症サポーター、広がる輪 国際会議で報告へ 京都
認知症とは
認知症の国際会議
介護とわたしたち
その中のひとり、大阪府和泉市の曽根勝一道(そねかつかずみち)さん(67)は、白いシャツにベスト、蝶(ちょう)ネクタイ姿でカクテルや水割りを手渡した。認知症の診断を受けたのは8年ほど前、小学校の校長をしていた時だ。「自分でも分からない行動をしてしまうのでは」と不安がふくらみ、定年まで1年を残して仕事を辞めた。
自宅にこもりがちだった日々を変えたのは3年ほど前、堺市で活動する「若年性認知症の人と家族と地域の支え合いの会 希望の灯(あか)り」だった。たくさんの人と交流するなかで「自分にも人のためにできることがある」と気づけた。
この日、会場内に設けられたバーに立つと「認知症とともに生きる人たちに、僕なりのメッセージを伝えたい」と語った。妻重美さん(66)に手伝ってもらいながら、各国から続々と訪れる来場者らと笑顔で交流していた。(浜田知宏)