スピーチする丹野智文さん=27日午前9時25分、京都市左京区、楠本涼撮影
認知症国際会議で27日、若年認知症の当事者として登壇した丹野智文さん(43)の、スピーチの全文は次の通り。
認知症の丹野さん登壇、体験語る 京都で国際会議開会式
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特集:認知症の国際会議
介護とわたしたち
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みなさんおはようございます。グッドモーニング。 本日はこのような場で話をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
ただいま、ご紹介いただきました丹野智文です。実は、私は多くの講演をしていますが、こんな大きな所で登壇することに不安がありました。まだまだ偏見もあり、こうしてきちんと話をする当事者は、診断間違えではないだろうかと言われる人もいるからです。しかし本日、多くの当事者が登壇し、歌いました。今日、ここで私が話をしようと思った理由は、認知症になったら終わりではない、全国にいるまだまだ不安のある当事者へ、認知症でも笑顔で元気で楽しく過ごせることができることを知ってもらいたかったからです。
私も診断後は、認知症イコール終わりだと思い、不安や恐怖から、夜、泣いてばかりいました。それは泣きたくて泣いていたわけではなく、ベッドに入ると自然と涙が流れてくるのです。それだけ、常に不安と恐怖があり、押しつぶされそうになっていました。
それが元気な当事者やサポートしてくれる人たちの出会いにより、少しずつ、少しずつですが、不安が解消されてきたのです。
私は、私よりも先に、不安を乗り越えた元気で明るい認知症当事者との出会いにより、10年経っても元気でいられることを知りました。
私が選んだのは、認知症を悔や…