神戸山口組の臨時集会があった関連施設=神戸市中央区
国内最大の指定暴力団山口組(本部・神戸市灘区)を離脱した組が結成した神戸山口組(本部・兵庫県淡路市)が29日に神戸市中央区の関連施設で開いた臨時集会に、複数の直系組長らが欠席したことが捜査関係者への取材でわかった。警察当局は神戸山口組内の最大組織の山健組(同区)が分裂し、複数の直系団体も離脱して、計約30団体で近く新組織を結成するとみている。
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兵庫県警や大阪府警は同日、情報収集を進め、警戒を強めるよう各署に指示した。捜査関係者らによると、欠席したのは神戸山口組の真鍋組(兵庫県尼崎市)、古川組(同)など。真鍋組などの組長は最も重い「絶縁」の処分になったという。
捜査関係者らによると、「関西山口組」などの名前が検討されているとの情報があるという。神戸山口組は昨年末の時点で組員が約2600人、準構成員が約2900人。捜査幹部はこのうち3分の1ほどが離脱し、新組織に加わる可能性があるとみて注視している。一方、ある捜査幹部は「組織内の内紛かもしれず、新団体を名乗ってもすぐに分裂と判断できない」と話す。
複数の捜査幹部によると、新組織は神戸山口組直系組長で山健組副組長だった組幹部(50)=絶縁=が中心になり、離脱した神戸山口組とは一定の関係を保ちながら山口組と対立するとみられるという。岡山市では昨年5月31日、神戸山口組直系団体の幹部が射殺され、その後に山口組系組員が殺人容疑などで逮捕された。
神戸山口組は昨年4月、指定暴力団となり、抗争を繰り返すと規制のより厳しい「特定抗争指定暴力団」に指定される可能性がある。複数の神戸山口組系組員は「報復しやすい組織を作る狙いもある。山健組の会費が高いことへの不満も出ていた」と話す。