実際の車両が展示されている本館1階。身近で見られるのも魅力のひとつ=下京区、佐藤慈子撮影
京都鉄道博物館(下京区)が29日、開館1周年を迎えた。来館者はこの1年間で150万人を記録する人気ぶりだった。幅広い年齢層を呼び込む工夫を積み重ねた成果だが、京都は全国有数の観光地。多くのライバル施設を前に2年目以降、この勢いをどう維持していくかも課題だ。
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「不慣れなこともあったが、1年目は大勢の人でにぎわった。これから真価が問われる」。蒸気機関車の前で開かれた1周年記念の式典で三浦英之館長はこうあいさつした。この日、午前中は晴天に恵まれ、多くの家族連れが訪れた。SLを整備する「検修庫」も初めて一般公開され、真剣に撮影するファンの姿も目立った。
近年の鉄道ブームで、旅行を楽しむ「乗り鉄」や撮影好きな「撮り鉄」の用語も定着し、鉄道の専門知識を持つ「鉄道アイドル」も活躍中だ。しかし、誰もが鉄道に興奮する人たちばかりではない。博物館としてはいかに「鉄分」の少ない人たちに来てもらうかが腕の見せどころだ。
博物館が重視するのは、一般の来館者が「見たことがある」「乗ったことがある」という実感だ。本館の特急型寝台電車「581系」に掲げられたヘッドマークは、かつて新大阪と博多を結んだ寝台特急「月光」。当初は大阪と金沢を結んだ特急「雷鳥」を計画したが、「『月光』のほうが山陽、九州地方の広い地域の人たちにも親しみがあるのでは」と付け替えた。
現役当時の迫力を感じてもらう…