四日市JCT手前の伊勢湾岸道。分岐の間違いを減らすため、4月26日から新名神高速・東海環状道方面の車線をバリケードで一つ塞いだ(中日本高速道路提供)
大型連休中、高速道路を使って遠出する人も多い。気をつけたいのが、ジャンクション(JCT)の分岐だ。新しい道路が接続されたところでは、進路を誤る車が後を絶たない。
進路を間違えた場合、どうすればいいのか。
高速道路各社は、いわゆる「特別転回」を認めている。間違えた後の最初のインターチェンジ(IC)で、係員がいるレーンに並んで申告すると、料金所の外でUターンし、再び高速道路に戻れる。本来降りるはずだったICまで行き、通常の料金を支払えばよい。
■カーナビ頼みが一因?
では、なぜ進路を誤るのか。
伊勢湾岸道と東海環状道、新東名高速と3本の結節点となる豊田東JCT(愛知県豊田市)。昨年2月に新東名がつながった後、進路を間違える車が相次いでいる。中日本高速道路(名古屋市)は「データの古いカーナビゲーションが『直進』と指示を出すのが一因では」とみる。
新東名がつながるまでは、伊勢湾岸道を東進してきた車が分岐なしに東海環状道に入ることができた。しかし、新東名の接続後、新たに分岐ができた。東海環状道に進むには左車線に寄らないといけないが、誤って直進する車が続出している。
高速道路での行き先間違いについて研究した飯田克弘・大阪大大学院准教授(交通工学)によると、間違えやすい人は「経路選択の際、カーナビを重視し、自分の知識や案内標識を参考にしない傾向がある」という。
「高速道路ファン手帳」の著書がある佐滝剛弘・高崎経済大学特命教授(観光論)は「日本人は信号のない分岐が苦手」と指摘する。欧米の交差点では信号のない円形ロータリーが珍しくない。高速道路も無料の国が多く、日常的に使われる。「我々は車を止めずに行きたい方向へ曲がる経験が少ない。誤進入が起きるのは、ある意味で当然」と話す。