30代から50代にかけての男性に多い心臓が突然止まる「ぽっくり病」の一つ「ブルガダ症候群」で、ある特定の遺伝子に変異があると再発のリスクが高いことを、日本医科大などの研究グループが明らかにした。米国心臓病学会誌の電子版に論文を発表した。
ブルガダ症候群は、心電図に特徴的な波形があり、日本では健康診断で1千人に1人程度で見つかる。心臓が細かくけいれんする心室細動を起こし、失神したり、突然死を起こしたりすることもある。
研究グループは、ブルガダ症候群の患者の2割弱で、SCN5Aという特定の遺伝子に変異がみられることに着目。心室細動になったり、健診で診断されたりした415人を7年間追跡したところ、この遺伝子に変異があった患者は変異がない患者に比べて、致死性不整脈が2倍の頻度で起きていた。
突然死を防ぐには、胸に除細動器を植え込む方法が一般的だ。研究グループの清水渉・日本医科大教授は「今回の研究成果は、再発を防ぐために除細動器を使うかどうかを判断するための一つの材料になる」と話している。(水野梓)